2022.05.14 (Sat)
『運転しながら「おにぎり」食べるのは交通違反?警察に確認すると…(BSS山陰放送) - Yahoo!ニュース』
まあ、信号待ちなんかで、片手で つまめるサンドイッチとか缶飲料などを口にする程度は許容範囲なのが現実なんだろうとは思う。
それよりも、もっと恐いのは、ケータイやスマホじゃないだろうか。
ハンドルから手を離さずに済むツールを使用しているにしても、相手先との応答で、気を取られるのは危ないと思うし。
なので、宅配の業者さんなどに、再配達の依頼を しなくては ならなくなるのを、運転中に無理して応答しておられやしないかと、難聴ゆえ聞き返しも多い私は内心で特に気が咎めていたのも、そういう意味からでも あった。
あと、助手席に(病気の?)ペットを乗せていて、そっちに、気を取られて、死傷事故を起こした事例も あったよね。
私なんかも、むかし、まだ実家で生活していた頃、朝食のサンドイッチを、玄関先で半分ほど、大急ぎで口のなかにグイッと押し込み、残りは片手に持ってモグモグしながら自転車に跨り、最寄り駅まで猛ダッシュして、見送る母親に呆れられたものだ。
そのあと、ギリギリ セーフで到着した職場でも、「今朝ねぇ」と、そのことを話したら、同僚にも、
「へえ~。サンドイッチ頬張りながら、そのミニスカとハイヒールで、自転車またがってダッシュてか、、、すごいな」
と、感心された。
旧ブログなどで、少々話題にしたことも あったかと記憶しているが、
ある時期、ちょっと かかわっていた、かなり年下の男。
当時、向こうは20歳代だったのだけど、工務店か何かを経営している おとうさん、交通事故で、半身が不自由になり、車椅子の生活となった おかあさん、その影響から看護師になったシッカリ者の おねえさん、という家族から、高校卒業後は離れ、海外の あちこちを渡り歩いていて、サーファー気取りの放浪生活を何年か してから、資金が尽きたか何かで日本に戻り、次の渡航と放浪を内心に期しながら、その日暮らし的チャランポラン的な生活と言えば そうだったのだが、
そのくせ、料理などに関しては、台所に立つ労を惜しまず、毎日マメにやってるという、真面目なんだか不真面目なんだか、よくワカランやつだった。
でも、
身障者となった母親の世話も してきたという、いまどきで言う「ヤング ケアラー」の一人だったわけだし、
心身が荒んでるとか、凶悪な性格とまでいうわけでなく、いちおう健康で、じょうぶで活動的で、どっちかと言うと、あくまで表面的にせよ、人当たりは いたって柔らかく、ソツなく、まあ優しいと言えば優しいところも あった。
私に、缶飲料などを買ってくれたときなんか、プルトップを必ず開けてから渡してくれるという細やかさが あり、そういった方面では意外と(?)「女らしさ」というものに欠けるのだろうか、ガサツなオッサン的な側面が ある私なんかには、とうてい、思い至らないところ。
このことを思い起こすと、生前の母親の述懐も思い出す。
と言うのは、
母親も、お稽古事仲間の一人だった女性と、何かの集まりで同席したとき、その女性が、ガムを勧めてくれたのを見たら、ガムの銀色の包み紙までも半分ほど丁寧に剥いてから、しとやかに差し出してくれていたので、これに いたく感じ入り、
そんなにも細やかな気の遣いかたは、さすがに、自分には思いも つかなかったというので、うちの母親は、その日の帰宅後、ひとしきり、私に聞かせたので あった。
要は、
うちら母娘には、そういった類の「女らしさ」みたいなものが、いっさい、備わっていないのだなと結論したことで あった。
さて、
電話で、「作ったから食べに来いよ」と誘ってきて、その自宅に行ったときは毎回、何らかの手料理を ふるまってくれたり、実家の姉から くすねてきたという、高級メーカーのフレーバー ティーなんかを、いっしょうけんめい淹れて、講釈たれながら飲ませてくれたりしたサーファー男の話に戻ると。
ただ、
およそ法律とか社会的ルールなどに対する遵守精神的なものは、わりとイイカゲンだったことは確かだと思う。
そうね、どこかで根本的から「タガが外れてる」みたいなところが。。。
当時も、大麻なんかは全く後ろめたさや罪悪感なさげに やっていたし、それを、たまたま、私に見つけられたときは、さすがにバツが悪そうに、ゴニョゴニョぶつぶつ言いわけしていたが、
いまでも、「脱法・危険ドラッグ」の類にだって、平気で手を伸ばしているかもしれない姿は想像に難くない。。。
それでもね、
当時、私にも大麻を勧めるとかいうようなことは決して しなかった。
しかしながら、
そういうことに とどまらず、全体に、どこか、倫理観や良心のようなものが希薄な傾向は、なんとなく感じていた。
しつけ不足とか生育環境から来たものなのか、同じ両親の子どもでも、おねえさんとは だいぶ違うみたいだから、やっぱり生まれつきの性質なのか、よく わからない。
で、ある日のこと。
その日も、彼の自宅に行ったら、よく煮込んだ具だくさんのカレーライスを作って待ってくれていた。
私が、一皿分を食べ終わり、向こうは2皿目に とりかかったとき、急な用が起きて、外出しなければ ならなくなったので、とりあえず、食事は中断とアタリマエに思った私は一足先に外へ出た。
やつの車の所で待っていたら、
あとから施錠し、ほどなくして やって来た やつの手には、
少し食べかけとは言え、
盛大に盛られたままのカレーライスの皿とスプーンとが握られていた。
「ちょっと!!それ、どないする気やねん!?」
と、ビックリして咎める私を なだめる口調で、
「だいじょぶ、だいじょぶ」
と言いながら、運転席に乗り込んで、まずは膝の上にカレーの皿を安置して、落ち着き払って、エンジンを かけ始めた。
「ちょっとぉ!!」
と、なおも騒ぐ私を、
「へーき、へーき」と なだめつつ、とうとう、広い車道に出てしまい、
助手席の私はポカンとしながら、やつの ようすを見ていたら、信号待ちの箇所に差しかかった とたん、
ハンドルから離した両手でソッコー、くだんのカレー皿とスプーンを持ち上げ、あたりをチラチラ窺いつつも、猛然と口中へ かき込んでいる。
「あー、俺のカレー、やっぱウマいわぁ~」
【続く】