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とりあえず、ひかりのくに
     
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2017.01.19 (Thu)

家庭の経済格差 学習意欲にも差関西テレビ 1/18() 22:02配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170118-00000007-kantelev-soci

 

貧乏だから どうだという一括りで、全てを結論付けることが できやしないのは、他の様々な問題と同様である。

 

往々、ある程度以上のレベルにあると見做される家庭では、それが、
たとえば、先祖の身分的なことであろうと、企業経営者、あるいは、学者の家系であろうと、「プライドを保つべき」「自負心」の由来あれば、その後継者と目される子に対して、有形無形にプレッシャーを かけてしまう、かけられてしまうということは よくある話だと思われる。

それが、良い効果になることも あろうし、
本人を潰してしまうことも ある。

 

 

さて、うちの親は、父母とも、学業成績優秀で(とは言え、都会育ちの母に言わせれば、ど田舎育ちの親父の学力なんて、田舎のレベルでは、という話に過ぎないと、せせら笑っていたものだが)

それでも、
父方の祖父は、地方藩とは言え、身分の高い武家の出で、当時の運輸系技術官僚から、若くして一代で企業を起こしており、たいへんに裕福だった実家から、
父の母方の田舎の伯母が嫁していた貧乏な家へ、つよく請われて、生後まもなく、跡取り養子に入っていた親父が、あの時代の貧乏家庭の子息たちにとって、出世の糸口でもあった士官学校にて選抜されたうちの、県内で僅か4人のなかの一人であったことは事実だ。

母のほうも母のほうで、裕福な家庭では あったものの、

担任の教師が、自分の資金援助で通学させるから、とまで申し出たのを、

「うちは貧乏ではない。カネの問題ではない」

と一蹴して、弁護士や教師を志望していた母の進学の希望を断ち切らせたのは、義理の祖母の意向だった。

私の母は、その義母にとって、先妻が残した、しっかり者の長女、目障りな存在だったので、一日も早く、嫁がせたかったのだ。
たしかに、
この、母の父親よりも大幅に年若い義母は、私の祖父が高学歴だったのと異なり、「無学文盲」に当てはまる人だった。
しかし、自分が産んだ子らは当然のごとく、しっかりと高学歴に育て上げている(苦笑)

 

要するに、

私の両親は、どちらも、学業優秀だったにも かかわらず、進学の希望を、彼らの親によって潰されていたので、自分の子どもらには、基本的に、希望どおり進学させることに吝かでは なかった。

しかし、ことは、そう単純では ない。

 

私自身には、子どもが いないので、これは、他の人の子育て実感からの話だが、

子に、高レベルの進学先なり、将来的目的を果たさせようと願うならば、肝心の子ども本人以上に、親の本気の努力と執念が必要だということだった。

それについて、私自身の育った家庭のなかでも、頷けた事例は ある。

 

私の兄(ただし、腹違い)は、家計が苦しいから、逆立ちしても、私立には進学させられないし、塾にも行かせられない、しかし、

高卒程度で、そのへんの会社に就職しても、恐らくは、その偏向ぎみの性分や思考の癖ゆえ、長続きしないだろうし、それどころか、ヘタすると、何らかの犯罪に転げ落ちたりして、まさに「人生の落伍者」になりかねない、という危惧が、自他ともに あった。

兄は、私の母が来るまでは、酷いチック症を患うほど、親父と姉に虐められており、家庭内スケープゴートの役回りだった。

 

だから、

もともと、親父自身は、その学校時分、それほどガツガツしなくても、学業成績が良かったので、

子どもなんてものは、放っておいても、できるやつは できるんだ、放っておいたがために できないやつは、見離して、最後まで放っておけ、と思っていたようで、日常生活上の、どうでもいいような些末なことには、むやみにヤカマシイだけで、教育熱心でも なんでもなかったので、

私の母親のほうが、義理だからこそ、というプレッシャーと、
言わば「跡取り息子」であるから、なんとしても、世間体の良い、堅い職に就かせなければ、後妻の自分の立場が ない、という悲壮な意地とミエが大いにあり、

幼い私の目から見ていても、
また、兄本人も、母親の執念の凄さを感じていたものだ。
そこには、
母自身の、自分の義母に対する当てつけめいた心理も あっただろう。

 

逆に、

戸籍上や形式上は「末っ子」であり同時に「一人っ子」でもあり、跡取りでもないはずだった女の子である私に対しては、「勉強しなさい」と口先で煩く言うわりに、兄に対するときのような情熱が、からっきし、なかった。
母に言わせれば、兄のときで、すっかり燃え尽きてしまったのだそうだw

 

しかも、

障碍を持ち(もっとも、親自身は、頑として、これを直視しなかったが)
できるかぎりの手を打っておかねばならなかったはずが、

放任というよりも、ほぼネグレクトに近い、無責任このうえなかった。

 

家庭環境が悪い、というのは、
親父の だらしなさゆえの家計の逼迫も勿論だが、

実家の場合、身勝手な親父と、気性の激しい母親という組み合わせで、夫婦仲が険悪、しょっちゅう、どハデな夫婦ゲンカ、私以外の子どもらと親との確執が渦巻いているような家庭だったので、

私に言わせれば、自分の正気を保ち続けるだけで、エネルギーの殆どを消耗する日々だった。

 

いま思い返しても、ゾッとする。

障碍のこと、母を置き去りにすること、どんなに勇気が要っても、もっともっと早く、あの家を出ておくべきだったのだ。これは、後年になって、母自身も、そう言っていた。

 

 

子どもらのなかで、最も気合を入れて、めでたく、教職公務員という安定職に就かせた跡取り息子は、理由不明のまま自殺、

ああいう親は、結局、どの子も幸せにできないし、その自覚も薄い。

 

貧乏な家だからと言うよりも、

それは勿論、裕福であれば、それに越したことは ないのであり、

ロケーションというものが、そこの街の住民の自負心やメンタルに影響するのと似て、
なんと言っても、住環境などの表面的環境条件は大いに有利なはずだが、

要は、

家庭内がゴチャゴチャ落ち着かず、荒れぎみということは、

それは、家庭の運営者たる親自身の心理が荒みがちであることの現れなのである。

そのことが、子に影響しないわけが なかろう。

それに負けないなら結構なことだけれども、

一つの負の要因だけでなく、私の実家のように、いくつもの負の要因が重なって絡み合っていると、本当に大変だ。

 

だから、

「ヤフゴミ」捨て場の住民のような、
視野狭窄にして思考あさはかなカン違いネット民は、
よく知りもせず、理解もできない他者のことをコキおろし、貶めるコメントを投稿しまくるヒマが あるのなら、

ちっとは黙って、自分の恵まれていた条件に感謝しておるが よかろうに、と言うのである。

人並みに恵まれていながら、
その程度の知性と、底意地の悪さでは、拾うところが ないというものだ。

 

 

結論を一言で述べておくと。

貧乏であろうが なかろうが、

根本に潜んでいる要因は、

誰しも備わっていたはずの自然な自尊感情や自己肯定感というものを徹底的に踏み躙ることが、

子の持久力を奪い、逃避的に仕向け、無気力に陥らせるのである。

まずは、このことを、公的支援によって周知させねば なるまい。

 

 

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