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とりあえず、ひかりのくに
     
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Updated   
2016.03.03 (Thu)

かねてから聞きたいと思っていたことの一つに、

「ヤフコメ」あたりを眺めていたら、これにもドドドっと付く、

「親を死刑にしろー!!」

あるいは、

「子どもに やったのと同じことを してやれ!!」

という類の要望コメント。

それの理由が、虐待された子どもが、あまりにも可哀そうだからと言うのだが、

「ネトウヨ」(その殆どは、自民党と安倍政権支持者であることが分かるし、『日本会議』の主張に共通した内容のコメントを並べる(そう、一人で何人分も装って)ところを見るにつけても、やはり、ああした連中の主張には、浅はかさと不審と疑問を感じるのだ。

 

 

それは、私も虐待された側としての経験に事欠かない身なので、親側に対する強い憤りの感情は、むろんのこと理解できる。

だが、
ああいう「ヤフコメ」(
同時に「2ちゃんねる」常連でもあろう)連中の、
「虐待された子どもが可哀そう」と本気で思っているのやら、甚だ怪しいもんだという不信感を持たずにいられないのだ。

 

だって、

いわゆる全体主義的縛りを(無自覚にせよ)渇望するパターナリズム的根性である愚衆

あの連中は、

「自己責任」とて弱者叩きが、三度の飯よりもウマいと感じてるんだろうに

 

一つ、聞きたいと思うわけ。

すなわち、虐待された子ども(子どもに限らずだが)、この子どもたちが、なんとか奇跡的に生き延び、成人してのちも、残念ながら、家庭を持つ気になれなかったり、自分の子を持つ気になれなかったり、つまりは、
「家庭」や「家族」とか「血縁」「地縁」といった人間関係や組織体を、心底では信用できないし、価値を置く気にもなれないままとしたら、

「ヤフコメ」
(同時に「2ちゃんねる」常連でもあろう、その殆どは、自民党と安倍政権支持者であることが分かり、『日本会議』の主張に共通した内容のコメントを並べたてる連中)
のアンタがたは、自分たちとは真逆の価値観であろうゆえに、

つまりは(繰り返して述べるが)

「家庭」や「家族」とか「血縁」「地縁」といった人間関係や組織体を、心底では信用できないし、価値を置く気にもなれないでいる(かつての)子どもたちを、責めまくることにもなるのかな?という不審だ。

 

 

ごく最近、個人的なことで、ちょっとした或ることに気づいた。


世間で報じられる虐待事件の記事に伴って時おり載せられる、被害当事者の子どもの写真等を見かけるたびに、

「この年齢の子どもが、こんなに暗い眼や表情を するものだろうか」

と思わずにいられないし、そのたびに、胸が詰まるような思いを してきた。

このような暗い眼や表情は、戦争や内戦時環境の ただなかに置かれた子どもたちにも共通して見受けられる。

 

ところで、私自身も、幼い頃の、正確には、父と、その連れ子たち(一回り以上も年齢が離れた義理の姉や兄)と、いよいよ一つ屋根の下で暮らし始めた頃の写真の自分自身の表情が、それに近いものを漂わせていたことに、本当に、つい最近になって気づいたのだ。
(どこか不安そうな、同時に、どこか悲壮感に伴い、ある種の諦念感すらも滲む、なんとも侘びしげな表情と言ったほうが、より正確かも)

 

自分の事でも、なんとなく見過ごしていることが多いのだなと、あらためて思った。

たまたま、優しい他人たちの記憶だけで、じゅうぶん満たされていた、私の人生最初の出発点、その、ほんの僅か1、2年のあいだだけが、私にとっては平穏な時代だったのだということには、早くから自覚していたのだが。

その、たった1、2年すらも持ち得なかったなら、はたして どうなっていたことやら。

背筋が冷たくなる思いもある。

 

だって、肝心の親たちの記憶が、当時の私には、ほぼ全くと言っていいほど、ないのだから。

先日のエントリーでも述べたように、「奇跡の記憶力」を持っていた私をして、こと、父に関しては全くの空白だ。その おかげで、辛うじて、理性を失わずに済んでいるのかもしれない、と思えるほどではあるのだが。

 

皮肉なことに、
私の母親も、自分の親なんかより、他人のほうが よっぽど、、、というのが、彼女自身の人生への感慨としての口癖だった。

もちろん、母と私とでは、人生の軌跡からして全く異なっているけれども。

 

【続】「女のアパート」と「ため息」

風信子どこへ【旧“Eine Prinzessin des Lichtes”より】

 

 

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