2017.08.20 (Sun)
拙宅にも、かなり古いLPレコード等が、そこそこの枚数、残っている。
そのうち、自分で買ったものは、当時まだ学校時分だったので、乏しい お小遣いを貯めてから、といった苦労もあったし、当時の私にとっては、なかなか高価な買い物では あったから、よっぽど好きなバンドのものとか、自分でもリスペクトを感じる世界的定評を得ている大御所アーティストのものとか、必然的に選りすぐられた対象に限られているゆえ、これらの枚数は多くはない。
むしろ、若い頃の叔母が買い集めていた、クラシックから映画音楽、その他あらゆる音楽ジャンルのレコードで、私が子どもの頃、うちには、まだ、ステレオもなかったのに、貰い受けてあったものののほうが、ダントツで多い。
この私に言わせてさえ、叔母は、ほんとうに、学問や教養といった方面に甚だ疎い人で、一族郎党から、おばかちゃん扱いされていて、いまどきの時代なら、まさに「ドキュン」呼ばわりされてたかも、、、と思えるタイプだった。(しかし、そんな叔母に、「おばかちゃん」扱いされてた私。。。w)
ただ、持って生まれた容姿と、ほぼ生来的な美的センスだけが、唯一の救いみたいな人だったけれど、
そんな彼女から貰い受けていたレコード群は、なぜか、
(私自身も、こんにちでは、多少の知識等を得ているので、客観的に判断できるのだが)
専門筋の人がチェックしたとしても、ある程度以上の評価を得られるで あろうほどに、その選択眼は悪くないものだったと思われる。
子ども心に、それらのレコードを聴いてみたい好奇心もあって、
買ってもらったのか、誰かに貰い受けたかの記憶は曖昧だが、いま思い出すと、子どもの玩具に毛が生えたなみのチャチなポータブル プレイヤーを入手後、叔母から譲られていたレコードを一枚ずつ試し聴きしていくうちに出会ったのが、あの『アニマルズ』だったこと、
これも過去エントリーで取り上げた話題だけど、
たちまちにして、ボーカルのエリック・・ヴィクター・バードンにベタ惚れ、
おとなになったら、彼のとこへ お嫁に行くと決意するほど夢中になり、
これが、その後も ずっと、私自身の音楽的指向性(R&B)の基礎の一つを かたちづくることになったこととか、縷々述べておいた。
さて、アナログ レコードというと
やっぱり、あの埃取りで苦労したことが真っ先に思い出されるのは、他の人たちにとっても同様らしい。
『<レコード>「生産枚数8倍」ブームを支える若者たち』
8/19(土) 9:30配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170819-00000015-mai-bus_all
多数のレコードと一緒に、手入れ用スプレイやビロード等も貰ってあったので、その使いかたを口うるさくアドバイスしてきたのは、当時、大学生だった兄である。
これは旧のブログで、思い出して述べたことが あったと思うが、
大学近辺の下宿先から帰って来ると、真っ先に、この兄が やること。
かつては兄らが使っていた部屋を、その頃は、私の自室にしてあったのだが、そこへ遠慮会釈なくズカズカと入り込み、レコード収納キャビネットのもとへ直行し、当然と言わんばかり、おごそかに扉を開き、
そうして、私が、小遣いで購入したレコードを一枚一枚、手に取って丹念に吟味、調べ上げてから、論評ならびに説教を開始するのだ。
おのれが気に入っているアーティストのものなら、大いに褒めてくれるのだが、そうでない場合は、徹底的に厳しくコキおろす。
ほんとに、煩かった。
でも、レコードの扱いかたについても、こと細かく教えてくれていて、私は忠実に守っていた。そんな中学生の頃。
ある日の音楽の授業中、音楽教室に据えられてある大型ステレオで、ガーシュイン作品か何かのレコードを聴かされた。
音楽担当の先生の、レコードの扱いかたを、それとなく観察していた私は、そのときも下宿から帰宅していた兄に、さっそく報告した。
「おにいちゃんさぁ、レコード取り出すときは、ぜったいに、溝のある面に触っちゃいかんとか言ってたやん。せやけど、きょう、音楽の授業のときに、レコード聴かされてんけど、先生、思いっきり、溝のあるとこベッタリ触って持ってたでぇ」
と伝えると、
兄は言下に断定した。
「そりゃあ、しょせん自分のレコードちゃうからや!」
身も蓋も ない。
…
のちに、教師となった この兄は、私の無二の宝物だったアニマルズの、すでに貴重盤になっていたレコードを貸すのを嫌がって渋るのも構わず、無理やりに、自分の下宿へと持っていき(ちなみに、ヌイグルミなんかは、黙って勝手に持って行ってた)、
やっとこさ返してくれたかと思ったら、
なんと、大きなヒビを入れてやがった。
いまでも、思い出すだに、腹が立つ