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とりあえず、ひかりのくに
     
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Updated   
2019.01.06 (Sun)

この年末・年始に:嫉妬とは、呪うことかなwの続き。

 

ところで、

個人的に、手軽に気分転換したいときなどは、いろんな動物が登場する動画を眺めたりすることが ある。
私は基本的には、動物たちが好きなのだが、これまで、猿については、あまり好きになれなかった。特に、日本猿は(苦笑)

 

しかし、

年末近くに、たまたま、『アンコール トム』に住み着いてる、おおぜいの猿たち(アカゲザルとかマカクとかいう種類なのかな)の生態を、それぞれの猿の生活ぶりに密着するように継続撮影したものを見かけて、ちょっとハマっていた。

こういう撮影のやりかたは、猿たちにとってストレスになっていると指摘し、批判するコメントも あったし、実際、見ていると、私にも、そのように思えるふしは少なからず あった。

けれど、同時に、興味深い場面や、ほほえましい場面も多々あったので、ついついハマってしまったのだが、関心を持たれた向きは、まずは『アンコール トム』の猿たちを、“youtube”で検索してみてね。

 

 

広い動物界のなかで、最も、人間に近いことを感じる猿が好きになれなかった、ということは、私は、人間が、あまり好きじゃないからなのかなってことになるかもしれないけど、たしかに、動物たちを見ていて、人間のほうが、よっぽど下品なんじゃなかろうかと思えたりすることが ある。

それも野性か、それに近い動物、特に、彼らが幼い子どものうちは、そこいらの人間の子どものほうが、よっぽど可愛げもなく、野性動物の幼児のほうが、周囲の ものごとを直感的に理解して、とても慎ましい感じさえ受けるのだ。

ただし、

あかんぼうや幼児でも、生き延びるための自己主張の強さには、驚かされるばかりか、思わず笑いだしてしまうほど、とことんストレートで激しい激しい。それが、このさき、生きていけるかどうかを試されるエネルギー量なのだ。やはり、野性動物として生きていくうえでの過酷さゆえ。

それでも、

『アンコール トム』の敷地に住み着いてる お猿さんたちは概ね、国内外から大挙してやって来る観光客たちから、フルーツなどを中心とした食べ物を、ふんだんに もらってるみたいなんだけどね。

 

野生動物は、ごく幼い子どものうちから、すでに、プライドの片鱗を示す面を備えているようだ。

そもそも、仲間内でも、油断なく見張り合っているし、子育て中の母猿は特に、のべつ周囲を警戒しながら、乳児を見守っているから、寝不足で疲れて眠いのは、人間の親と同じだ。猿どうしでも、そこは同情的なのか、子どもを虐待しそうだなと察するのだろうか、その一歩前で、なかばムリにでも、母親から子を引き離しにかかり、疲れている母猿を休ませてやる意味も あるように見受けた。

いわゆる「キッド ナップ」ということも多いようでは あるが、だから母猿は、しぶしぶながら託した仲間の猿に抱かれている自分の子を、ずっと眼で追い続けているし、安心できない相手と思えば、拒絶する。

だいたい、子猿のほうが、母親から離れるのを、ひどく嫌がるんだけど。

 

眠たいのは、基本的に皆が同じ。なので、「グルーミング(毛づくろい)」してもらってるあいだに、少し眠る。お互いに、そういう手続きを踏まえて、協力し合っているところが ある。

 

ましてや、人間に対して、警戒心を完全に失っているはずが ない。

病気やケガで、食欲を失ってるとか、よほどの事情がなければ、勿論、人間から、食べ物を受け取るのを拒むことは ないし、空腹のところへ、おり良く、人間が やってきたら、服の裾を掴んで、「ねえ、ちょうだいよ」と、ねだりもするものの、それでも、

「あっそう。どうしても くれたいのなら、受け取ってやるよ」みたいな態度と雰囲気だったりもするし、食べたくなければ、無視(苦笑)

そして、せっかく、極上のフルーツを楽しんだあとに、見るからにマズそうな木の根っこや草をバシバシ齧っている()

 

そもそもは、人間なんかに頼らずに、自分で食料を探し、調達して生きていけるはずなんだから、人間に媚びる必要なんか あるはずもない。

 

実際、親子のあいだですら、いったん、自分が手にした食べ物を渡さない。基本的には、それが、彼らの社会のルールであり、マナー文化でもあることが窺えた。

人間社会でも言う、「人の物を欲しがったり、取ったりしちゃダメ!」って ことだろう。

 

自分の子どもが、どうにも執拗に ねだって、あきらめないときは、じかに渡して与えるのでは なくて、足もとの地面に放り捨てるという かたちを とることで、譲り渡す。

他者が放棄したものであるなら、もらっていい、ということだね。

もちろん、敢えて横取りする者もいるのは、人間社会と同様。猿の世界は、特に、上下の力関係も大きいようだ。

 

うちの犬なんかは、自分の餌に、子どもが鼻先を突っ込んできて、そのままパクパク食べ始めても、「しょうがないわねえ~」と言わんばかりの表情で、温かく見守ってたけど()

日常的に、食べ物が確保されてるかどうかの安心度にもよるんだろうなあ。

 

離乳期が近くなり、歯が生えかけると、歯茎が痒いせいか、まだ幼くても、かたい物に喰いついたりするようになるが、母乳を飲んでいるうちは、人間さま用の牛乳などは(うちはイイカゲンで、犬用だ猫用だとまでは頓着しなかったw)、母犬のほうに飲ませていた。それが、母犬の体内を通って、子犬が飲むわけだから。

 

 

『アンコール トム』の お猿さんたちは、ほとんどが、何らかの身体障碍者だ。

 

足や手や鼻や下顎や、どこかしらが欠損していて、その不自由な からだで、雌たちは、いっしょうけんめい、子育てしているし、子猿たちの要求も、生まれ落ちた瞬間から、ハンパなく激しい。いつも、かあしゃんの乳を、貪欲に ねだっている。

見守ってくれる かあしゃんの頭は屋根、

かあしゃんの胸は あったかい布団。

移動するとき、安全で良い所へ運んでいってくれる かあしゃんの背中は、自動車の座席になる。

子猿たちは、かなり大きくなっても、かあしゃんの傍を離れたがらない。

 

 

「ボス」格のオス猿などは、自他のグループ間で、生き残りのための乱闘を繰り広げ、大ケガして、それがキッカケで死んだりもするんだけど、

『アンコール トム』に住んでいる猿たちの場合、ほとんどは、人間どもが乗り回すバイクや各種の自動車のせいだ。

 

すごいよ、あの傍若無人いや傍若無猿な騒音は。

低めに音量調節しなおしたイヤホンを通してすら、この聴障の私の耳を つんざく、という表現どおりの爆音。

子猿たちが甘え泣く、あるいは、子を見失ったり、亡くしたりした母猿が、哀しげに呟く「ホーホー(ポウポウ?)」という、はかない声とは大違い。

 

ふだん落ち着きはらってる風情のボス猿でも、「なんだよ、あの煩い音は」と言わんばかりに、頬を引きつらせ、他の猿たちも、ひっきりなしに、けたたましい音を撒き散らされるのにウンザリしてる感じ。

 

こっちから向こうの森へ移動するのに、車の流れが僅かに途絶えた隙を見計らい、あるいは、車のほうが遠慮してくれるのを期待するかのように、子ども抱えて、えっちらおっちら渡ってる。

発展途上に ありがちな国の、野放図な人間の往来。

なかには、『アンコール トム』周辺道路のみならず、敷地内の森のなかまで入り込んでるバイクや、果物売りの車も あって、カンボジア政府も、もう少し考えたら どうなのと思ってしまうくらいだ。

 

また、

猿たちは、『アンコール トム』の非常に広大な敷地のなかで、グループを作り、集団で暮らしているのだが、所属してる集団のなかでのルールやマナー、コミュニケーション時以外は、基本的には好きなように、気の向くままにやってるみたいだから、あの立派な、クメールの精華である壮大な遺跡が、猿たちの住まいになっていて、かなり荒れてる。

 

【旧ブログより】

アンコール ワット                     2010/08/22 20:03

褐色の肌して女神らは踊る

 

石の音楽、
肢体しなやかに踊る神々、
クメールの誇り、
南方アジアに咲いた大輪の花、
年古りて美しき大伽藍の姿した女神よ。

私が子どもの頃からの憧れやまぬ遺跡です。

 

なかには、技術力が及ばぬ国の修復箇所から早くも傷んできているという話だが、
わが日本が最先端の技術をもって、このような人類遺産の一大精華に関われるのは名誉なことと思う。

 

 

年古りて麗し肢体傷むるは

ナーガも かくや

ガジュマルの幹

 

胎内に

あまたの神ら

孕みいて

女神化身し

横たう伽藍--- 

 

**************
そして、観光客などの人間たちから もらう食べ物や、観光客たちが置き去りにした、人間用の飲食物の残骸を漁り、それも足りないと、

味が残るビニール袋を舐めたりしているうちに、歯で引きちぎって食べ始めた母猿も いた。

 

木の皮や根は勿論、生後いくらも経たないほどの 赤ちゃん猿でも、殆どは、早々に、母親の授乳に期待できなくなるから、地面の上を、小さな手で まさぐっては、なんでも かんでも、口に入れている。

 

そんななかでも、なぜか、常に肥満気味で、子に与える乳も不自由しない猿と、眼が見えなくなるほど栄養失調になる猿もいるのね。

【続く】

 

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