2019.08.24 (Sat)
去年だったか一昨年だったか、ずーっと前、「みわよしこ」さんというかたのコラムで、極限まで食費を切り詰めている女性が、『生活保護』受給しつつ、将来的に脱却へ向けた、何かの資格を目指していて、そのために毎日、継続してカレーばかり拵えて食べているといった話を紹介しておられた。そのかたは、自分は毎日でも飽きないほどの好物なので、苦には ならないということだったが、さぞかし、部屋じゅうにカレーの匂いが しみついてるんじゃなかろうかと思ったのを憶えている。
カレーは私も好きだけれど、こうも年がら年じゅうでは、さすがに飽きるだろうし、塩分に注意しながら、お味噌汁も良いんじゃないかなと思う。
カレーに負けないくらい、いろんな具を幅広く利用できて、意外なほどのバリエーションを展開できるから。
お味噌汁の具が盛りだくさんであれば、それこそ「一汁」のみで、かなりの栄養が確保できるんじゃないかと。
とは言え、
私自身は、味噌と具材を買ってきて拵えるのさえもダルイしまつ(苦笑)
こう暑いと、特にね。火を使うのが、もう厭。
母親が生前、夏場に よく拵えてくれた、「冷たい味噌汁」(単に冷めたのでは なく、最初から それとして つくったもの)が、私の好物の一つで、きゅうりや茗荷などが たっぷり入り、ちょっぴり酸味が あるので、爽やかな風味で、食欲のないときでも、これだけは、口に できた。
なんでも、どこかの郷土料理をヒントにアレンジしたと言っていたレシピを、母親が元気なうちに聞き出してメモしておいたので、あれを つくろうかなと思っていた。
さて、
実家に居た頃、まだ若く、料理の経験も浅かった私が、あるとき、思い立って、「もやし」を用いた調理の途中、
読んでおいた雑誌のレシピに忠実に従おうと、「ヒゲ根」というやつを、いっしょうけんめいに処理しようと かかっていたら、台所を覗きに来た母親に、「おまえはアホか」と言われた。
「もやしのヒゲなんか、そのままでエエんや!誰がクソ真面目に、そんなアホなことやれ言うんかいな」
と。
だから、
雑誌の、「料理研究家」とかいう肩書きの人ですがな、
「ひげ根を取るべし」と言ったのは。
だいたい、何ごとであっても、「初心者」というものは生真面目に とりかかろうとするもので、料理に関しても、例外では ないのだろう。
とは言え、
母親が、東京の親戚の家に稼ぎに出て長期不在だったり、その資金を元手に、帰ってきた後も、お店を一人で経営したり、あげくは交通事故で長期入院、
専業主婦時代は専業主婦時代で、PTA活動や趣味に のめり込み、
どっちにしろ不在が多い母親だったので、小学低学年の頃には、流し台やガス代の前に、丈の低いスツール椅子を置き、その硬い座面の上に立って、洗い物や簡単な料理を我流で始めてた私。
プレーン オムレツなんか、いまの私よりも上手に つくってたw
その当時だって、料理が好きと思うこともなく、いま必要だからという感覚のみだった。
いまでも、うっすら憶えてるのは、インスタント ラーメンを、初めて、自分で つくってみたこと。
たしか、まだ小学生にもなってたかどうかという年齢。幼稚園児だったかも。
なぜか、外袋に同封されてるはずの調味スープの小袋が見当たらなかったので、スープなしのラーメンになった、それを、親父が大喜びして食べてくれたんだけどw
小学校も高学年となれば、遅くなって帰宅する母親の分まで拵えて、とりあえず仏壇に上げておいたものを、大学近くの下宿から帰省していた、大喰らいの兄が、夜中にコッソリ食っちまったのを知って、怒り心頭になったこともあった(苦笑)
ある日などは、近所の幼なじみが、いつものように遊びに来たとき、たまたま、おやつ代わりにササッと つくってあげたハム サンドに味を しめ、それからは、うちに来るたび、「ねえ~、あのサンドイッチ~」と上目遣いして ねだるもんだから、閉口してしまったり。
あれから何十年。。。
長い病気や、うつ病にも罹患して、ふつうに料理するにも、そうとう奮起しないとならなくなった私は、もう、ムリしたくない。
私がムリしないと困る者たちも いなくなったし。
一週間も前の記事だけど、
『『料理が苦痛だ』の本多理恵子さんに教わる「やめて」ラクになる5つのこと』8/17(土) 21:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190817-00195131-lettucec-life
この記事を読んで真っ先に、
「もやしのヒゲ根」
の一件を思い出したわけ。
それと、
わりと最近に、無料の動画配信で観た、『トースト』っていう、料理や家事にまつわるイギリスの映画も思い出した。なかなかユニークで良かったよ。
かねてから高く評価してきた女優も出演していて、ますますの演技派に なってたし。
当該記事のコメント欄は、自分のダンナや男性一般に対する、女性たちの積もった不満が多いみたいだ。
一人で生活するには圧倒的に困難な社会システムだった昔と比べれば、こんにち、格段に便利な方法が揃ってきてるんだから、それでさえ、何かにつけ大変なことも多い、そこは、各人の性分・各家庭のスタイルに合うように、できるだけ利用していけば いいじゃないかなと、個人的には単純に思ってるけど。
私自身、病気をガマンしながらの会社勤めの頃は、帰宅したら、顔さえ洗わず、ベッドに倒れ込んでた。
で、あっと言う間に夜が明けて、またぞろバタバタと出勤していく。。。
たしかにね、
仕事と家事や子育て、どちらのほうがストレス?というよりも、
両立させていて、それほどのストレスも ないという人は、それは、
自分の適性に合った仕事に就けているからで、
意義を感じ、自分の望む目的に合致した生活が できている、そういう人の場合は、
それほど疲れないものだ、
と、これは、うちの母親の喝破であった。
しかり、
合わないこと、不本意なのを厭々やってると、何であっても、それは大いにストレスのタネだ。
料理に直結していることでは ないけれど、
スーパーマーケットに行って、購入したものを袋に詰めているとき、私の前で同様の作業している、ご夫婦と思しき二人連れを ふと見るともなしに見ると、奥さんだけが、せかせかと、袋に詰めていて、ダンナさんは、少し後方でボケーッと、所在なさげに突っ立っている。
なんとなく、眉間にシワ寄せイライラしている感じの奥さんの作業が終わるのを、ただ ひたすらに待っているのを、よく見かける。
ほとんどは、60歳代以上と見受ける高齢者だ。
そんな光景を見るたび、私だったら、かりに「専業主婦」の身であっても、「ちょっと!詰めるの手伝って」と言うだろうけどな、と思う。
まあ、食材の詰めかたの基本も分かってないようなダンナだと、自分でサッサとやってしまうほうが早いのかもだけど。
また、
むかしの同僚で、新婚だった女性が、仕事を終えて買い物し、帰宅して、料理、食事を済ませたあと、ついつい、疲れた ようすを見せると、すかさず、
「しんどいんやったら やめとけーや!」
と、年下のダンナから叱声が飛んでくるので、
あわてて、
「ううん!しんどくないよ!!」
とシャッキリ背中を伸ばして言い返すのだという、
そんなケナゲな話を聞いた私は内心で、
「おのれの甲斐性が足らんから、こうして、身重のヨメさんを働かしとるんやんかい!くそ生意気に年下がエラソーな」
と、他人事ながら、怒鳴りつけたくなったw
自分の夫だったら、そのとおり怒鳴ってるかもw
その同僚とこは、自分の実家も結婚相手の家も、バリバリ『創価学会』員。まあ、関係ないんだろうけどな?(嗤)
うちの実家では、母親のほうは、家事は総じて好きでないようだったが、料理だけは、まあマメにやってたほうだし、上手でもあった。でなければ、我流の飲食店を一人で切り盛りできるはずもない。
それだけに、料理の腕前については絶大の自信を持って当然としていたが、
同時に、
「おいしいか?」
と聞かれて、
「まあまあ」
と答えようもんなら、
「それは、おいしくないという意味か?」
と凄むのであるw
ただ、
料理好きな人には多いと見受けるし、母自身もそうだったのは、
「食い意地が張ってる」
というくらい、食べること大好きだったからこそ、料理も、苦にならないということだったようだ。
したがって、
うちの母親も、「家族のため」というよりは、自分が食べたいから、ということが真っ先に きていた。
母親が、自分自身のためでないのなら、とたんに、かなりイイカゲンになる傾向が あるのは実感してた。
親父なんかは、ある日の朝ごはんが、
「人参だけ!千切りにしたやつを皿いっぱい出してきてそれだけ!!ワシぁ馬か!?」
とプンプン怒ってたこともあるw
私なんか、朝ごはん無しも しょっちゅうだったww
まあ、食欲も なかったりしたんだけど。
【続く】