2019.02.09 (Sat)
『ヤフゴミ』捨て場の「オーサー」さんの一人で、藤田なんとかいう人。
『ビッグ イシュー』という、もっぱら、いわゆる「ホームレス」と呼ばれる人たちを、雇用では ないらしいが販売員としていることで知られる雑誌が、最近、ロック バンド『クイーン』のボーカルだった故フレディ・マーキュリーを演じた俳優のインタービュー記事を前面に出している おかげか、久々の増刷となったという記事が あり、そこへ、くだんの藤田なんとかいう人が、「オーサー」として意見を投稿しておられるわけだが、
さて、
藤田さん、はたして『ビッグ イシュー』という「選択肢」は、生活保護利用のケースと同列に語れるようなものなんですかね?
私自身も、この雑誌を購入したことは ある。
初めて買ったのは、かれこれ十数年ほども前になるが、『梅田』の『阪急デパート』から少し歩いた大通り沿いの場所で、所用のため向かっている目的地についての道順を尋ねたいなあと思い始めたところに、
たまたま、売り手さんが、なるほど、立ちんぼ状態で、黙って辛抱強く、買い手が現れるのを待っているという感じだったので、
ああ、この雑誌ね、、、と1冊購入し、支払いながら、目的のビルの場所について尋ね、返答を もらって、また歩き始めた。
「きょうは、お天気も まずまずだし、過ごしやすい時季だからいいけど、真冬や真夏は大変だろうなあ」
「ああいう人たちって、入浴や着替えだけでも、普通に生活できてる場合と違って、何かと大変じゃないのかなあ」
と思いつつ。
帰途の電車内で、さっそく、なかみを読んでみたら、けっこう濃くて真面目な内容の記事が並んでいたので、良い印象は持っている。
けれども、
あれから時が流れ、障碍を抱える私自身も、やがて、各界福祉関係の人々と接したり、
(こういう分野においても、ほとんどは、畑違い出身のシロウトさんたちだ。私の知っている福祉業者も、補助金を水増し請求してる疑いが濃厚な所も あるし、また、その福祉業者自身が障碍者でありながら、同様の障碍者を見下したりする人もいる、いやらしい事情も見受けられるのが現実。)
障碍者の作業所を経験した いまにして振り返ると、
あの『ビッグ イシュー』の販売形態には、どこか、「障がい者作業所」の臭いと同じものが漂ってくるのを感じてしまう。
ところで、
過去、自分自身が、服役した経験を持つ、議員か何かの公人の立場に就いている人だったと記憶するが、その人は、「秘書給与」のことで有罪判決を受け、服役中に、
受刑者のなかの少なからぬ割合で、知的、精神、また「発達障がい」などの内部障がいを抱えている者たちが いることに気づいたということを言っていた。
このことを、「浮浪者」と呼ばれてしまうような、いわゆる「ホームレス」について考えるとき、同時に思い出すのである。
私が若い頃に、何かの記事や本で読んだには、
「浮浪者」や「ホームレス」自身、相手が誰であれ、権力筋とか公的機関であろうとも、自分の親や家族にすら、とにかく、「管理される」こと自体を、激しく厭うという姿勢を示す人たちが目立つそうだ。
だから、家を出る。
役所の手が伸びてくることを徹底的に嫌う。
したがって、生活保護制度を利用することも避ける。
「プライド」なんてことからでは ないと思う。
やはり、「浮浪者」「ホームレス」と呼ばれるような暮らしを せざるを得ない人たちには、一見しただけでは分かりにくい、知的や精神方面の問題を抱えているケースも多いだろうし、そのことは、とりもなおさず、思考の歪みや思い込みにも繋がっているだろうと察する。
「生活保護」という制度を、本当に「プライド」に云々と言っているのなら、それ自体が、是正を必要とする証左と言うべきだろう。
自分自身の思考力によっての情報選択や論理的構築の能力が乏しい知的や精神の障碍者は、不安定で、周囲からの通俗・俗悪的な価値感に つよく影響を受けて毒され易い傾向を持つのも現実だろう。
しかしながら、
生活保護制度にしても、また、選挙の投票制度にしても、あくまで「権利」なのであって、個人を強制できることでは ないとされている以上は、どうしようもない面も伴う。
浮浪者たちは、こうも言う。
「青カンはキツイよ~」
と。
そりゃあ そうだろう。
極度の暑さ寒さ、不衛生、栄養不良に晒され続ければ、健康状態は蝕まれていき、言い知れぬ不安と襲撃の危険を恐れつつでは、安眠も おぼつかない。精神状態も蝕まれていかないほうがフシギというものだ。
もともと、知能や精神方面の内部的障害などを潜めているケースが少なくないとしたら、当然だと思う。
「ヤフゴミん」の大多数は、社会的弱者らに対し、毎度のごとくに侮蔑や排斥意識を前面に押し出しているから、「ホームレス」側に対する非難も圧倒的よね。
だったら、
公園や公共施設といった社会のインフラを、自分たちの生活場所として勝手に(集団)占拠している問題について、どう考えるんだろうか。
近く『オリンピック・パラリンピック』という一大イベントが行われるに あたり、この、「ホームレス」たちのホームを撤去・排除する動きが勢いを増してくる。
私自身は、「ホームレス」についても、まあ、しかたないのね、という感覚のほうが まさっていて、どちらかと言えば大らかなほうのスタンスだし、「ホームレス」のテントなどを、役所が強制的に撤去することにも、非情さと反感のほうを感じてしまうのだが、
かと言って、
「浮浪者」には、個人的に、いささか厭な経験を させられたことも あるし(不衛生な思いを させられた出来事だった)、
公的インフラを、普通に利用できないような事態までを よしとしようとは 思わない。
それでも、
「浮浪者」「ホームレス」といった人たち自体に対して、敵意や優越意識めいたものを持ったことは、いまだかつて ないんだけども。
【続く】