2022.01.26 (Wed)
『「身を守る」技術とは』の続き。
20歳前後の若い男の子が本気で かかったら、それよりもトシくってる男なんか、ぜったいに勝てや しないよ、という話を聞いたことも あるので、今回の事件で、連れの友人たちが何人か、その場に いながら、あまり、被害者を庇ってあげられなかったようなのを、少し怪訝にも思ったのだが、
私のような経験や体験に乏しければ、咄嗟には、どうしたものやら分からなかったとしても、まだまだ若いのだから、無理も ない。
過去エントリーでも話題にしたことが あるけれど、
むかしの実家の隣家は、当時、『大阪府警』の巡査部長さんが御主人で、この おじさんは、かの「シベリア抑留」をも乗り越えたド根性と、武道で鍛えた、もっぱら良い面のみの「九州男児」だった。
この人に かかると、
宿直の日でなく在宅している日で あれば、酒乱オヤジが暴れ狂っている最中と聞けば、ただちに駆けつけて来られ、ほんとうに、指一本で、
「イタタタタ!痛い痛い」
と、
凶悪な親父をして、みっともなく叫ばせ、
アッと言う間に制圧してしまうので、
『天皇』を護衛し、サーベル提げて、馬上で決めポーズしていたエリート職業軍人なんど、何ほどの者だったやら、「シベリア帰り」の猛者にとっては、「赤子の手を捻る」に等しいのだなあと、つくづく、感嘆したものだ。
あんな惨めな叫び声を あげて制圧される、なさけない姿を、何度も何度も見てきていながら、よくも まあ、死ぬまで ひっついておれたもんだと、あらためて呆れるのよ、うちの母親に。
私が母親だったら、いっぺんで幻滅して、さっさと見捨てるわよ、あんなカッコの悪い亭主(嗤)
女や子どもに、凄まじい暴力ふるいつつ、
そんなことは一切、棚上げ、忘却の彼方。
あべこべに、自分こそが可哀そうで、利用されたんだ、と、被害意識に浸っていた親父。
まあ、母親も同類だったよ。私から見れば。
でね、
とにかく、目の前の相手をボコボコにすることに夢中になってるんだから、こういうやつを止めるには、まともに前からじゃなくて、背後から抱きつくんです。
私も、いちおう女だし、腕力や瞬発力だけで戦うのは無理だから、いっそのこと、うしろから、男の首に両腕を回して締めつけ、脚もギューッと巻きつけて、頭からビターッと全身で密着するわw
そうして、
連れの友人の男の子が2、3人も いたというんでしょ、
みんなで、背後から、抱きつくんだ!
まあ、そりゃ、実際に、いきなり遭遇したら、とにかく恐いと思って、反射的に怯んでしまう気持ちも よく分かるけどね。女性は尚更。
お隣の おじさんが不在で、代わりに呼ばれた おばさんが、
「娘が殺される、止めてやって」と懇願する うちの母親に、
「だって、奥さん、わたしだって恐いわよぉ;」
と、
家のなかで、ムチャクチャ殴られ蹴られ、髪を掴まれて引きずり回されてる最中の私のようすを見るなり、親父の狂気の雄叫びを聞きながらも、庭に立ち竦んだままだったという。
私の場合は、母親が殺されてしまうかもという危惧から、自分がフリーズしては いられなかった。恐がってるわけに いかなかった。
事件の被害者となってしまった、喘息持ちだという高校生の男の子には、数人の友人を伴っていたことで、もしかして、多少の安易な強気も伴っていたのでは あるまいか。
直接的な行動に及ぶよりかは、持病のためにも、まずは、車両を移動して、そののち、乗務員に連絡するなどの手段を とるほうが望ましかっただろう。
見るからにフテクサレて、
これ見よがしのマナー違反やルール違反を ひけらかす如き態度は、
要するに、周辺に、ケンカ売ってるようなもんで、
あくまでも、勝ち目が ありそうな相手なら、ひとたび、何か言って寄こそうもんなら、電光石火で、「やんのかぁ?あぁん?」と、即座に掴みかかるつもりだったんじゃないのかな、加害者の男は。
自分が悪いのに、それを、一言でも注意されたら、ガバッと脊髄反射で激昂する者はね、
普段からピリピリピリピリしている、本当は、すごい小心者なんです。
だから、ひらきなおって、あべこべに、自分の暴行は、「正当防衛だった」とか言い訳してるんでしょ。
正体は極めて小心、常にビクビクびくつきながら生きてるからですよ。
なので、相手しだいなのだろうし、
相手を見分けて、態度をコロコロ変える手合いなんて、世のなか、めずらしくも ない。
言いかたとか、歩み寄りの技術、などと説いているコメントも あるようだったが、
ま、そういうことも言えるかもね。
しかし、保証は できないわよねw
もしかしたら、
自分よりも、ずっと強そうで、勝てそうにない相手だと分かっていてさえも、もはやヤケクソで向かっていく、
かつての『大日本帝国』みたいなw無責任クレイジーだって、世のなか、皆無とは言えないのだ。
理不尽きわまる暴力を浴びせられることは、コトバで表現し難いほどの複雑な心の痛みを、終生に わたって引きずることを齎しかねない。
そのくらい、罪深いことだ。
だからこそ、
被害者は勿論のこと、加害者を発生させないことが、最も望ましい。