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とりあえず、ひかりのくに
     
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Updated   
2022.01.26 (Wed)

君子 危うきに近寄らず

と、昔の人は言いました。

 

臭しと知りて嗅ぐは馬鹿者

これも、じつに警句ですねえw

 

しかし、

義を見て せざるは勇無きなり

とも言います。

 

最近、電車のなかで、喫煙している男に注意した男子高校生が、頬骨を骨折するほどの酷い暴行で返されたという事件が、『栃木』のほうで起きたそうだ。

ま、そこまで聞いただけで、その暴行を はたらいた男が、どんなレベルの者だか、即、想像が つくというものだが、

案の定と言うべきか、私は、最初、「飲食店員」と聞いて、ラーメン屋とか、そういう店の従業員なのかなくらいに漠然と思っていたのだが、
「飲食店」と言っても、いわゆる風俗業界のほうで、「ホスト」だという。

詳しい情況が、あとから出てきていたようだが、私は、そのあたりのニュースまでは、ほとんど、目を通してない。

ただ、くだんの男が、そもそも「優先座席の上に寝っ転がって」という箇所をチラッと読み、

「ははん、要するに、始めから、『文句を言う やつが来たら、ボコボコに してやるわ』くらいの猛々しい気分で待ち構えてる態度だったんだな」と感じた。

まあ、注意してきた相手しだいで、もしも、見るからに屈強な男性だったら、とたんにヘコヘコして逃げたんだろうな、とも思うけど()

 

で、

いちばん、議論を呼び、世間の受けとめ方や主張が二分されてるような状態になっている原因は、やはり、周囲の おとなたちの態度だという。

ほぼ「傍観者」だらけで、直接、暴行を止めようとしないのは勿論、近頃の風潮で目立つパターンの一つだが、スマホで撮影してとか、そのような状況だったらしいのだが、

思い出したのは、
いまは高齢になられているが、相変わらずダンディな、若い頃はバリバリ「二枚目」を張っておられた俳優さん。とある駅頭のエスカレーターに乗っていて転落し、さいわい、大事には至らなかったようだが、それでも、かなり出血していたそうで、そのとき、周囲は早速、スマホを取り出して撮影する通りすがりが何人も いたというので、その えげつない不躾さを、俳優氏は、いたく嘆いておられ、芸能界系の記事は、ほとんどスルーする私も、かねて敬意を持っていた俳優さんゆえ、それを読んで、とても気の毒に思った。

さて置き、

いちばん、いかがなものかと思える顰蹙的行動は、われ関せずで、自分だけサッサと逃げ、せめても通報の一つだに せず、知ら~んぷりして、その場から去って行くタイプの、トシだけ「おとな」だろうと思う。

 

今回のような事件の場合は、動画を撮影するというのも、むしろ、ある種の抵抗的行為と見ることも可能で、間違いなく、有無を言わさぬ証拠ともなり得るのは確かなことだろうから、その点で、恐怖に竦み、通報するにも立ち上がれず、フリーズしたまま全く何も できないで終わるよりは、ずっとマシだとも思える。

私の若い頃までは、まだ、たまたま、目撃した範囲のことを、コトバを尽くして、論理的に説明できるか どうかということに かかっていたのだから、このような事件の場合に、一般のシロウトでも、鮮明な動画撮影を行えるのは、まさに「文明の利器」的活用と言える。

 

さて、より詳しい情況を、これもチラッと目にしたところでは、喫煙を注意した男子高校生、すなわち被害者の言動に対して、批判する向きも あるそうなのだが、まあ、「ネット空間」では毎度の特徴的動きとして定番になってしまっている弊害とも言えようが、

ただ、これも、あとから知ったには、この高校生は、『喘息』が持病ということで、「ヤフゴミ捨て場」でも、それを知った とたんに理解できた気分になったのか、たちまち、「正しい」行為だったとか「尊敬します」とまで言い始めている しまつだが、相変わらず、悪しき単純さと軽薄そのもの。

 

 

今回の事件に関しては、私も、くだんの高校生の行動は、非常に危険なものだったと思う。

むろん、高校生側を責めるつもりは毛頭ないのだが、実際、心身ともに大きな傷を負うこととなり、先方が悪いのは当然として、それでも、持って行きようによっては、凶悪犯人にすることなく、穏便に済ませられた可能性も あったろうし、

なんと言っても、くだんの高校生の親御さんは、さぞかし、肝を冷やされたことだろうから、単純に、ストレートな咎め方を するばかりが正しいのでは ないということを、この高校生の今後と、若い人たちのための視野を培い、戒めとする必要も あるように思う。

 

 

ところで、『ヤフージャパン』のポータルでは、電鉄会社へのインタビュー記事も掲載されており、そこでは、車内に『SOSボタン』という緊急連絡用の設備も あること、暴行事件のみならず、急病人や、乗降ドアに何か挟まったりしたときなどにも、遠慮せずに押してほしいという説明が されていたが、

たしかに、押したら緊急停車してしまうとなると、ためらう人も多いだろうことは理解できるので、いきなり、そこまでのことは なく、まずは、乗員との遣り取りのうえで、問題が起きている車両に来てもらえるというのは、少しは気も軽くなるだろう。

だが、これとて、万全なシステムとは言えない。

 

まず、このことを指摘しているコメントも少し見られた。というのは、突発的な暴行などの事件が起きたとき、少なからぬ人たちが、恐怖心のために、通報ボタンを押すどころか、その場から立ちあがることすら できないかもしれないということ。

 

それと、
私自身、真っ先に懸念を覚えたのは、乗務員との遣り取りが、たぶん、不可能だということ。聴覚障碍者だから。

 

 

私は、子ども時分から、酒乱の父親に、酷い暴力を振るわれてきたし、自分よりも、母親を庇って、その身代わりになっていた面も大きいゆえ、ある意味、暴力的な場面に慣れていると言えば そうかもしれないので、通報することも できずに、その場で、ひたすら固まってしまうということには ならないだろう。

ましてや、何らの通報、そのための くふうすら しようとも せず、ただ立ち去るということも決して しない。

 

 

成育歴に鍛えられての おかげなのか どうかは知らず、
私は、荒れて凶悪な行為に走っている者を なだめ、落ち着かせることが、わりと上手いほうだ。

そして、もちろん、理不尽な暴力を振るっている者を、無為に見逃すことは ない。

母親は、逆に、怒っている相手を、もっと刺激して、激昂させてしまう性格だった。そのせいで、よけいに苦労するのは、両親の あいだで必死に 収めようとする私。

 

直接に立ち向かうことが、かえって不利になり、一歩まちがえると致命的な結果を被る事態が、ままある現実も知っているから、他の手段は ないのかを瞬時に検討しようとする癖も ある。

それでも、醜悪な狂気が剥き出しの暴力の場面や、殺伐とした雰囲気に遭遇するのは、幾つ何十になろうとも、深い深い拒絶感が つきまとう。恐らく、トラウマとかPTSD級になっていると思う。

 

そんな私のなかに、
自分でも予想を超える冷酷さと、やはり、それを許さない抵抗力が共存し、慈悲心や優しさのほうが圧倒しているや否や、その判断が つかないという危ぶみも、正直に言って、ある。

なので、

やっぱり、子を持たないで良かったという思いも ある。

 

 

うちの親を筆頭に、身内の者ら各々も、私が、彼らと全く似ず、酒を飲みたい、飲んで憂さ晴らしや発散したいなどとはサラサラ思わない体質や気質・性格であることを感謝すべきだと、つくづく思う。私自身も、このことだけは、幸いだったと思う。

 

とりわけ、あの父親に似て、酒好きだったなら、一日も早く実家から追い出し、父親と離しておかないと、必ず、親子間の刃傷沙汰を起こすだろうと危惧されていた兄などよりも、私のほうが、よっぽど凄惨な事件を起こしていたかもしれないと、われながら思うから。

 

【続く】

 

 

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