2015.05.18 (Mon)
うーん、
反対票数やや優勢と出ていたのが、最終1時間ほどで、たちまち逆転したらしいというのは、ちとフシギの感。
やっぱり、ありがちみたいだなあ、「劣勢」と報じられると、あわてたごとくに盛り返す、ってな傾向は。
だからね、
いっそ、こういうニュースは、結果判明するまで、あえて報じないままにしておくほうがいいのではないかと、かねて思っていた。
…と、今さっき、結果が判明しました。
あろうことか、
自民党と共産党がタッグを組んだみたいなことも、前代未聞級の珍現象だったのじゃなかろうか。
誰かが言ったという「自由共産党」かっというコトバ、
聞いた瞬間、フき出したけどさw
でもね、
自民党と共産党と、それぞれの側で反対した理由も、全部が同じということでは決して、なかっただろう。
しかし、「自由共産党」、理念、概念としては悪くないかも(笑)
さて、今回の敗因の大きなところとしては、
自民党寄りの人たちからも、反自民党的スタンスの人たちからも、共通点と同時に、それぞれの考える理由によって、両方から警戒されてしまったという面はあると思う。
私自身、自民党には基本的に、くみしたくない立場だし、既得権益というものに胡坐を掻いている者らを許しておいていいとはサラサラ思えない。
だが、
それと同じくらいに、
もしかしたら、もっとマズい方向に行ってしまうのではなかろうか、という危惧も感じていた。
で、その「『大阪都』構想」だが。
私は、これについて、早々に調べてみても調べてみても、
なんだかイマイチ要領を得にくい話だなあという第一印象だけしかなく、その点、『TPP』と よく似た印象だった。
もっとも、『TPP』の場合、あまりにも水面下過ぎて、とうてい、分かりやすいはずもないのだが、
そこへいくと、「『大阪都』構想」のほうは、いっしょうけんめいに、提唱者を始め各方面から、内容について、ああだ こうだと説明してきているらしいのに、にも かかわらず、よく理解できなかったのだ。
やっと最近になって、
要は、市の持っている財布を、府と共有するというか召上げちゃって手を突っ込み、なかみを掴み出す権限というか、それ以上に、
つまりは、府のガマ口自体を でっかくしちゃおうぜ、ということが一番の目論見らしいので、それが良いか悪いかは ともかくとして、
まず、
当の大阪市民にとっては損になると感じるに違いない話だというのに、なんで大阪市長の椅子にある人が、それを やろうよと言うのか、なんかヘンな感じがしていた。
そりゃあ、府知事に就いているときに言うのは、まだ違和感ないんだけども。
とりわけ大阪市は、昔から、国内外の食い詰めた人たちを、鷹揚に受け入れてきた歴史と気風がある。
このことも、旧ブログで述べたことがあるが、
うちの母は、大阪ド真ん中育ちだけに、時々言っていたものだ。
「他県の人間は、よう知りもせんと、やれ大阪の人間はガメツイだのと、思い込みのイメージだけで言いたがるが、昔の大阪の旦那衆や商人というものは、稼がせてもらった分は、いずれ、糸目を付けずに社会還元ということを哲学として持っていたもんや」
と。
市内に残っている、あの瀟洒にして堂々たるクラシカルな公会堂などは、まさに、その大阪商人の哲学の象徴と言えるものの一つだろう。
いま、総じて日本の商売人というもの、はたして、どうだろうか。
例の構想では、橋下さんから垣間見える人間性と相俟って、
どんなに言い繕おうとも、恐らく、福祉面の後退は免れないものと覚悟せねばならないのではという懸念が拭えなかったし、
各界の識者や専門家の指摘にもあったように、「既得権益」のゆくえは、単に、当事者・対象間の入れ替わりに終わるのではないかということも危惧された。
(大きく、共産主義ほかの革命的思想においても、そうした現象は言える)
市の公務員人数がダントツ多過ぎとかいう問題点のことも、一概に叩けるかというと、そう単純な話じゃないようにも思える。
近ごろ、日本全体で、公務員も、激しいバッシング対象になっているようで、
叩かれた公務員が、今度は、自分の足元で管轄する社会弱者をイビるようになる、こういう図式になってきてるんじゃないかと、はなはだ危惧している。
日本全体を覆ってきている、薄黒い雲の広がり。。。
ところで、市役所の公務員と言うと、
私の知り合いが、地元の市役所でアルバイトした経験を話していたときの内容を憶えているのだけれど、もう、はや数十年も前の話だ。その人が言ってたには、
「市役所のバイトって、けっこうシンドイでぇ。公務員ってのは、とにかく、ほんとうに動かへんよ、自分たちが かったるいと思うような、めんどうな作業とか、動き回ったり、ちょっと力が要るような作業は全て、アルバイトに申し付けておいて、自分らは、机の前に座って、おやつ食べたり雑談しながら、ゆったりノンビリやってたでw」
てな話だったのだが。
ま、ある意味では、
正規職員を大勢雇用できていたということは、それだけ、大阪市の懐に余裕があったからだろうし、いまとなっては、むだを省き、安上がりを最優先!ということで、彼らをバッサリ解雇し、そのぶんを非正規等で雇用して穴埋めするということになってしまうのならば、これ はたして、俯瞰した社会経済的にもメリットになるかデメリットになるのか、一概には言い切れないことなのではと思える。
「ヤフコメ」の投稿でも、「『大阪都』構想」支持者たちは、
ここにおいても老人たちばかりの意向が通ってしまった、これからという若い世代が可哀そうだ、とか未練たらしく言い募ってたけど、
第一に、
中間層と若い世代の激減、そうした状況についても、一番の長きにわたり与党として、日本社会全体の舵取りを担ってきた自民党と、その支持者たちの罪は重い。
こうした状況になっていなければ、老人たちなどを殊更に敵視することもなかっただろう。
あげく、
いまじゃあ、ミリオタうよの星、安倍さんの再登場を許してしまい、
ますますもって、中間層の逼迫と若い世代の激減を加速しそうだ。
【続く】