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とりあえず、ひかりのくに
     
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Updated   
2017.04.16 (Sun)

花冷え、花曇りの先日、朝から やけに、和服姿の女性たちが通って行くなあと思ったら、入学式だったんだ。

うちの近辺の幼稚園でも、和服で威儀を正した、若い おかあさんたちが出入りしていて、それで気づいた。

いやあ、昨今、お正月でも、和服姿を見かけることが激減しているなか、若い娘さんらしい振り袖姿の華やかさとは異なるが、シックな訪問着()姿も、風情が あって、よろしいねえ。

 

そういえば、うちにも、私が まだ20代か30歳になったばかりの頃、
いらん、必要ない、学校時分に誂えた京友禅の着物で じゅうぶんだと言ってるのに、無理やりみたいに、母親が誂えさせた紋付の色無地(?たぶん)が あったのを思い出した。

母親の教室の生徒さんが呉服店経営だったこともあってか、あまりにも強硬に勧めてくるので、広げられた生地見本のなかから、せめて、自分の気に入った色でと、しかし、このさきの年齢をも考え、もはや、いかにも娘っぽい色柄は避けたつもりだった。

やがて、仕上がった着物が届けられ、それを手にした母は、

「今度の着物は紋付やから、これで、大概の あらたまった席にも だいじょうぶやし、将来、あんたの子どもの入学式にも着ていけるでえ♪」

と、満足しきりのようすだったが、

私は、「何を、気の早い」と、ほとんど呆れっぱなしで、

そのうちに、予想外の病気を した結果、子どもは できない身となり、

「なーにが、子どもの入学式や?!」

と、自他ともに笑い話のネタと化す顛末になってしまった。

 

たしかに、たとえば結婚式ならば、もとは母のものであった、金糸銀糸の刺繍で表現された鳳凰の柄の帯なんか合わせると、ちょうどいいのだろうか。

私は、和装全般に関する知識が薄いのだが、

無地と言うか、実際は、こまかい地模様で、綸子と呼ばれる生地なのだろうが、遠目には、まったくの無地に見えるから、色だけはと、グリーン系の爽やかながら華やかさもある色を選んだのだったが、なにせ、艶々している生地だけに、今 見ると、ずいぶん、若々しい色を選んだものだと思う。

 

 

爽やかな緑と言えば、まさに、その始まりの季節で、名残りとばかりに、またぞろ、桜の木々の下へ立ってみれば、もはや、歯が、もとい、葉桜になりつつあった数日前。

おりしも強く吹く風に身を まかせて散りかけた花びらの代わりのように、見るからに やわやわとした薄緑が、顔を出し始めている。

思わず、美味そうな葉っぱやなあと呟いた。

 

桜餅や桜湯というものが あるのだから、サラダにして食べてしまうわけには いかないだろうか、それにしても美味そうなのだ。

 

あでやかな花々に勝るとも劣らぬ輝きを見せるのが、この時期の緑だ。

春の荘厳の光は、生まれたての葉っぱを祝福しているのだ。

 

 

しかし、ワタシらの世代には、自分が子どもの頃と比べて、明らかに気候の変動が あるのを実感している人が少なくないだろうと思うが、

この列島は、ただでさえ短い春の季節も縮めて、そのうち、過酷な夏と冬だけにするつもりだろうか、と恨めしく思えてくる昨今。

 

いにしえ人が詠んだという「春過ぎて夏」云々どころか、
春やり過ごし、いきなり夏が来にけらし、という感じである。

 

さて、昨日の夕方、いきなり雨になってしまい、干しなおしておいた洗濯物を取り込むとするか。(記16日午後3時30分)

あすは また、雨風が荒れるという予報だ。

 

 

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