2014.12.15 (Mon)
国民の底知れぬ不安感と先行き不透明さが拭えぬ心の涙雨に代わってか、霏々と降る霙雪。。。
こちらのほうは、雪には至らなかったが、外出中に危険を感じるほどの突風で、寒さが急激に強まったせいもあるのか、やはり、当地区の投票所でも、これまでにないほど、そうとう閑散としていたようだ。
私個人の投票については、今回、「死票」は辛うじて避けられたと言っていいのかもしれないが、
それにしても、自民党、取り過ぎだな。
だが、ちとフシギなのは、安倍さんの思い通り運んでいるとさえ見えるのに、どういうわけだか、自民党支持者たちからの手放しな喜びの声が、あまり聞こえてこない、どころか、かえって、今後を危ぶむ見解が増えているようすである。
それにしても、この前の選挙で、またぞろ自民党が返り咲いた、というのは、これは もう、「敵失」の おかげとしか言いようもないのが実態なわけだが、
今回は、もっと酷い投票率となったそうで、52.32%前後だとか、これは、戦後最低だった2012年の前回選挙(59.32%)を下回るそうだ。
メディア・マスコミ各社も、やたら「圧勝」だの「大勝」だのと、思考停止で暗示に かかり易い一般国民に刷り込みさせようというのでないのなら、しょせん数字上のみのタテマエでしかないコトバを躍らせ、あたかも真実であるかのように喧伝するのは控えてほしいものだ。
『アルツハイマー病の母と参院選』
『特集ワイド:衆院選後に待ち受けるもの 各紙300議席超を予想』
毎日新聞 2014年12月05日 東京夕刊
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141205dde012010004000c.html
(記事抜粋中の文字強調はブログ主による)
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今回の選挙から小選挙区は「0増5減」となり、衆院定数は480から475になった。つまり過半数は238だ。さらに、衆院の全ての常任委員長ポストを独占し、委員数も過半数となる「絶対安定多数」は266。やや乱暴に説明すると、これだけあればどの委員会でも強行採決ができる。そして衆院の3分の2に相当するのが317。参院で否決された法案を、衆院で再可決できる。
238、266、317。この三つがカギを握る数字となる。覚えておいてほしい。
◇自民維持ケース 「国民の信任得た」強行採決を乱発?
解散時の自民党の議席は295。~
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「公明党と合わせて3分の2に近い議席を獲得すれば安倍政権は国民の信任を得たとして、重要と位置付ける法案は強行採決しても衆院を通そうという動きを強めるでしょう。すぐにも労働者派遣法改正案を成立させるのでは」。上智大法学部の三浦まり教授(現代日本政治)はそう予想する。一部の業務を除いて最長3年までと制限されている派遣期間を撤廃するのが同法案の骨子で、民主党などは「非正規雇用を固定する」と反対してきた。一方、与党は11月の衆院厚生労働委員会で強行採決する構えを見せていたが、解散で廃案になった。首相は解散表明の夜に行われた毎日新聞のインタビューでも「大切な法案であり、成立を期待したい」と語っている。
「同改正案は成立目前まできたし、大企業優先の政策を打ち出してきた安倍政権は成立を諦めないはず。同時に法人税減税や『残業代ゼロ』と批判される裁量労働制の拡大(ホワイトカラー・エグゼンプション)、TPP交渉も進めていくでしょう」と読む。
気になるのは憲法問題だ。安倍首相は7月の閣議決定で憲法9条の解釈を変え、集団的自衛権の行使容認に踏み切った。次期国会では自衛隊法改正など安全保障に関する法整備を進める方針だ。
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◇自民大勝ケース 次期参院選に向け憲法改正を準備へ
仮に「317議席」以上を獲得する、自民大勝となったらどうなるか。「自民単独、もしくは与党で3分の2以上の議席を与えるのか、与えないのか−−。これが今回の衆院選の隠れた争点です。アベノミクスの是非だけではありません」
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日本は、単純な「経済成長」を見込める時代では すでに なくなっており、未知なる別の局面に向かっているのだから、そこで、どう、手を打っていくかを考え、可及的すみやかに実行していかなければならない時代に入っているわけだ。
安倍さんが頻りと持ち出してくるような皮相的なものでなく、実質のほうを示すデータ各種には あらわれているように、
「アベノミクス」なんてコジャレた呼び方を していても、なかみは殆どカラみたいなもので、しょせんは、株で儲ける余裕のある一部層が潤うため。
先日も言ったけど、
株なんてものは、しろうとにとってはギャンブルと同義、昔は、カタギが手を出すもんじゃないと戒められていた。それが、いまじゃあ、こともあろうに政府が、一般国民を唆す始末だ。
それでもね、私自身は、経済策でも消費税でも何でも、手を つかねているばかりよりは、政府が純然たる政策・施策としてアレコレやること自体を咎める気持ちは薄い。
それよりも、
どうやら、彼の取り巻きブレーンの人たちから、あらゆる入れ知恵されてるっぽいw安倍氏の、自身、政治家としての哲学の浅薄さ、気骨や思想性の軽薄かげんのほうをこそ深く危惧し、恐れすら感じているのだ。
いつかも言ったけど、
このひととか麻生さんとか、私は個人的事情のために、当時の詳しいところは殆ど知らないままだが、なんでも、以前のマスコミを中心としたバッシングが激烈だったとか、そのせいで、こんにち、日本社会に対し、どこかトラウマ的憎しみに近い本心でも隠し持ってるんじゃあるまいなとさえ思えるほどだ。
そして、ますます、自分の周囲を、知恵つけブレーンやオトモダチや利害一致するひとたちで砦を築き固めてしまう。
ひとえに「敵失」によって、見せかけで勝ったような安倍さんの「躓きの石」を仕込んでおく手法、これだけは、崇敬やまない祖父さん譲りと得意満面だろうか。
だが、今後は、すべてを持ち堪えかね、ドンドンしんどくなっていくだろう。彼も、この国も。
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議席を上積みするほど、公明を頼らなくてもよくなる。強力な力を得たら安倍政権は何をやるのか。「衆院に限れば憲法改正を発議できるが、参院ではまだ発議ができない。そこで、16年の参院選では9条より抵抗感の少ない96条改正を争点にして、場合によっては同日選を行うかもしれません。そして、衆参で3分の2を取れば、96条を改正して発議要件を『3分の2以上』の賛成から『過半数』に引き下げる。そうすれば政権は憲法改正を発議しやすくなるからです」
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巨大な力を持つ政権が誕生するかもしれない衆院選。質問にまともに答えない首相や原発再稼働や憲法改正を強引に進める政治家らを取り上げた辛口時評集「バカになったか、日本人」(集英社)を今月出版する橋本さんの受け止め方を聞いた。「安倍政権は経済を人質にして『私たちに任せていれば大丈夫、でも批判は受け付けませんよ』という姿勢を強めています。そして駄目な部分は民主党政権のせいにしてしまう。特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認では国民は黙っていなさいというスタンスに見えた。もし、大勝したら国民を政治から遠ざける傾向をますます強めていくでしょうね」
一例として挙げたのが原発の再稼働だ。毎日新聞が9月に実施した世論調査では6割近くの人が反対していた。橋本さんは「安倍政権は原発の再稼働を進めるのにもかかわらず、福島を第一声の場に選んだ。要は当事者のことを何も考えていないのでは」と語る。
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民主党政権下で国民は「決められない政治」に不満を募らせた。だが、むやみに決めればいいというものではない。「今は二者択一で解決できない問題が山積しています。違う意見を調整し妥協点を見いだしていくには、大変なエネルギーと時間を使う。でもそれが民主主義のはず。この肝心なことを、有権者は忘れていませんか? そして政治家は選挙結果だけが国民の意思表示だと思っていませんか?」
通り過ぎてからあの時別の道を選んでいたら、と思う−−。そんな選挙にだけはしたくない。
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気づくのは、いつだって遅過ぎたのだ。
『師走の忙しいときに選挙。ねらってやがる【続き】 』
『選挙前に、もう いっぺん言っとこう 』