2022.05.30 (Mon)
『【続・続】再び、「ズレを感じるとき」』の続き。
うちの両親は互いに、最初の結婚相手と別れるとき、そこまで漕ぎつけるまでに、実は親父のほうは、それほど本気でなかったようなのだが(私の この推察を、母親は、決して認めたくないだろう)、
特に母親のほうは、先夫が、まあ、うちの親父に、「ヨメさんを寝取られた」立場だからねwそりゃ怒るし。
でも、母親に言わせると、先方のほうに、いろいろ原因が あって、そもそも親が勝手に決めた結婚だったから、性格も合わないしで、いろいろ苦労させられたんだ、と言ってたんだけど。
家出して、すでに、私を妊娠していた母親の先夫は、もはや、寝取った男との関係を切らせることは不可能と悟った代わりに、自分の娘(私と同腹の姉)を返せ、今後は自分が引き取って育てるからと主張した。
まあ、無理もない、理解できると思うわなあ。
しかし、母親も、姉娘を手離すのを渋り続けた。
そこから どう膠着していったのやら、
ついに、うちの母親は、こう言い放ったのだという。
「あくまでも、娘を手離してほしいのなら」
10万円、寄こせ、と。
…
それを、姉は心底、恨んでたわけ。
そりゃそうでしょ。
しかも、姉の実父も、ほどなくして再婚したにも かかわらず、よその女を何人も連れ込み始め、言わば「妻妾同居」状態のなかで子どもも産ませるという、すっかりタガが外れたような生活に溺れた。
そんななかで、
「あんたは、10万円で売られた子」
と、
後妻である継母や愛人の女たちから、イヤミたっぷりに聞かされつつ、
しかも、義理の弟妹のメンドウみさせられながら生育したんですわ。
そりゃグレるわな。
でね、
うちの極度に饒舌な母親の言い訳ね。
これが また、めずらしくも、たったの一言よ。
「あの子の父親が、ほんとうに10万円を、持ってくるとは思わんかったから」
…
あの時代の10万円の価値は、いまよりも、ずっと高かっただろう。
それにしてもだ。
自分の母親やけどね、
せめて、言って いいことと悪いことの区別もサッパリつかんのか!?!おのれはぁ、、、
と、烈火のごとく怒鳴りつけますよ、いまの私ならね。
どうりで、私に対しても、理不尽で凶悪な罵倒を、年がら年じゅう、繰り返してくれたわなと。
私の障碍もね、親が死んでからですよ、やっと、『障害手帳』を取得、
それから、やっと、パソコンで検索しつつ、よくよく調べていったら、
なんのこっちゃない、
そもそも、原因は母親だった。
それを、何も知らないで、ひどく困っている、若い頃の私に対して、
「そういう星のもとに生まれたんだ!(だから、悪いのはオマエ)」
はいはい、
「ヤフゴミん」も、よく言いふらすでしょ、「前世」だの「来世」だのとw
「来世」が あるのなら、次は、あんたら夫婦の番だわねえ、と。
私は、腹のなかで せせら嗤っております。
私らの母親は、自分を正当化するために、まともな努力や頑張りで足りない分は、まあ実際、頑張ってたのやけどね、それは、本人の強硬な主張とは違って、あくまでも、自分のメンツから来る欲求を通すためです。
で、その努力や頑張りでも足りなければ、
小賢しさや狡猾さを陰に陽に用い、なおも、それだけでは足りないなら、めちゃくちゃなヘリクツでも平気で言い放ち、ゴリ押しする人だった。いったい、誰に似たんだか。。。
こういう点では、一般的に、男性のほうが、比較的単純なのだろうか、
親父のほうの場合、自分が悪いこと自体は、少なくとも、腹のなかでは多少、認めているようで(と言うか、あきらかに、認めざるを得ないような悪事を はたらいたのだからw)、口達者な母親のようなヘリクツで正当化までは しないのだけれども、親父本人は、「おれは口下手だから」とww
ただ、結局のところは、「ああ、俺が悪いだろうよ、それが どうした?」と、ひらきなおるタイプだったのは同様ですわ。
あのさ、こないだ、ある記事を読んでいたら、プーチン大統領の人となりを分析していて、指摘の中心となっていたのは、『ソ連』時代、パッとしないスパイ稼業を やっていた頃に培われたと思しい、
「人たらし」
の特徴が ある、というふうなことが述べられていた。
これね、実は親父も、戦況が逼迫してきた弱冠20歳代の頃、エリート士官として、スパイ養成の速成教育を施されていた時期が あって。
なぜ、男前でもないのに、あんなのが、ごっつ美人で人妻だった、私の母親だけでなく、ほかの女の人たちにもモテてるみたいなのか、
私ひとりを除き、ほかの姉妹たちは、父親違いの、それこそ「10万円で売られた」姉ですらも、親父には懐いてたし、先妻のほうの、精神病の長女なんかは、おとうさ~ん、おとうさんと、そりゃもう甘えるし媚びるし。優しい父親なんかじゃないんですよ、不可解だよ
高齢になってからは、ヘルパーさんにまでモテてたからね。
実の娘の一人である私だけが、ひとり孤独にw
「なんで、あの親父が。。。」
と、首を捻っていたわけで。
で、親父も親父で、
「あいつは男」(←私のことよw)
と。
あ、でもさ、
これも、長男である兄を除けばだけど、同性にもモテてるほうだった。
「親分」とか呼ばれててねw
で、私と兄だけが、
「けっ!なんで、あんなクソ親父がぁ
」
って感じww
そっか、スパイ教育の賜物で、「人たらし」だったってこと??
でも、私には通用しなかったねwww
世間の人々はね、こんな男女を、評価するんだわなあ。
まあ、親父が酒乱なのは知られていても、私のボンクラぐあいのほうが、よほど大問題視されてw「親不孝よ」だの「人の道よ」だの何だのと説教してくる。けっ!!
不貞だろうが酒乱だろうがDVだろうが虐待だろうが、
とても頭が良くて優秀で、りっぱな人、というふうに評価されてましたわ。少なくとも、表向きはね。
そうして、最後の最後まで逃げおおせたのだから、まあ、大したものだが、
結局のところ、
あかの他人からは、「大物」とか「太っ腹」などと、イヤミを込めて揶揄されたりすることも あったような、計算しない、ボケッとした性格の私こそが、大したアホなんだろうけどw
私自身は、当初はノホホンとしているようでもね、深入りしたあげくに、自分だけじゃなく、周囲の人たち、特に、弱い立場の人までも巻き込んでしまい、深刻な問題になったとか、そんな事態を引き起こしたことは、親らと違って、実際には一度だって ないのである。
むしろ、間違いなく最も私に助けられたのは、うちの親、きょうだいたちだ。
ただ、親らは、決して、決して認めないw
と言うか、
自覚に甚だ乏しいから、気づいても いなかったのかもしれないが。
いや、分かっていたとしても。
やっぱり、ぜったいに認めないだろうwそういう性分だからww
先述した、もと同級生だった彼女のことに戻ると。
その話を思い出すたびに、これに限らず、何らの「人生ストック」を持ち合わせぬ子ども時分から、人並み外れてボ~ッとしていながらも、何かしらの異様さや違和感というものにだけは敏感だった自分に思い当たる。
こういうことって、ほとんど個人に生まれつきの「直感」に近いものなんだろうかと考えたりも する。
あのあと、彼女は、まだ ずいぶん若いうちに、同じ「宗教」仲間の一人と結婚したと聞いたが、
子どもの頃は何の影も宿していなかった彼女の明るい瞳に生じていた不気味な「底光り」が、私は、いまだに忘れられず、残念に思えてならない。